ブスのモテ戦略(『周作塾』著:遠藤周作)

今回の本はこちら。

サブタイトルの「読んでもためにならないエッセイ」のキャッチフレーズに表れているように、著者の考えを思いのままにつづったエッセイ集です。

ただ、「読んでもためにならない」とはとんでもない!
という内容でとても満足度の高い内容でした。
月刊ペントハウスで連載されていた記事を収録した作品です。

このエッセイのターゲットは幅広く、
アラサーくらいの女性に響く回もあれば、四、五十代の男性に向けたような回もあります。
それゆえに今回私がピックアップする話は多分、今の私が独身・彼氏なしの自由の身であり、
これからに不安も期待も感じている現在の心境が大きく影響しているだろうなと思うのだけれど、
この3つの話は読んでとにかく前向きでワクワクするような内容で、
これからぜひ実践していこう!!と明るい気持ちにしてもらいました。

そして、何よりうれしかったのが、
「大好きな遠藤周作さん」から「大好きな三島由紀夫」の話が聞けたこと。
特に、しょっぱなの「名前を二つ持とうよ」の回での「三島由紀夫の人生の終え方」に関する考察がめちゃくちゃ共感できすぎて、
これまでどこかにハッキリ書かれていたわけではないけれど、
三島由紀夫の本を読んで薄々感じていた考えを初めて人と共有できた瞬間だったので、
遠藤周作さんと時間も場所も超えたところでお話しできたような気がしてうれしかったのが一番の印象です。

それは「三島由紀夫」の名(ペンネーム)についての話でした。
「由紀夫」という名前は少々若々しい印象であるから、
この名が年齢にともなうのはせいぜい40代くらいまでだろう、と。
これに本人が気づいてないはずはないのではないか、と推測し、
彼はこの名を使い始めた20代そこそこから40代くらいで人生を終わらせる未来をすでに見据えていたのでは?
という憶測でした。
さすがに私は「三島由紀夫」のペンネームからそこまで考えたことはありませんでしたし、
20代からそこまで考えていたかまではわからないですけど、
でも「終わり」とか「美」に対する三島由紀夫の考え方を思うと、
なんかその考察もありえなくはないかもな、、、と思えてくるんですよね。
と、少し反れましたが、そんなうれしい出会いもありました。

印象に残ったこと

たくさんのお話が収録されている本エッセイですけれど、
中でも今の私に特に響いた3つをピックアップしてご紹介します。

1.自分の夢を毎日二回となえなさい(p17)

この回は「今日、塾生である諸君に話すテーマはムイシキの活用である。」
と言っているように、無意識を活用して夢を叶えようという話。
ずばり、その方法はというと、タイトルにもある通り
「私のこの夢は必ずかなえられる」
と具体的にその夢を口に出して繰り返す。
それを毎日10分ほど2回やる。

実際には書かれている手順ではこれにちょっとした呼吸法もついてくるのだけど
、個人的にはそこはあまり重要そうでなかったのでカットしました。笑
ただし、注意点が二つ書かれており、一つは「その夢を絶対に他人にはしゃべってはいけない。」ということ。
もう一つは、「あなたにとって実現不可能な夢をこの無心状態で描いても意味はない」ということです。

一見いわゆる「引き寄せの法則」みたいな話に聞こえますけど、
遠藤周作さんの本をいろいろ読んできたからこそそうゆう話でないことはよくわかります。

フロイトとユングを引き合いに出されていますが、
名だたる学者も証明してきたように、実際に無意識が行動に与える影響というのはあるのかなと思います。

だけど、ただ唱えてたら叶うという魔法はなくて、
やっぱり最終的に結果につながるのは自分の行動次第なわけで、
それが但し書きの二つ「他人にしゃべらない」「実現可能な夢を設定する」につながってくるのかなと思いました。

他人にしゃべらないとは、言動より行動することの重要性を、
実現可能な夢を設定することは、現状を見極めることの重要性を言っていて、
そのうえでやっぱり目標を達成するためには無意識の力は大きな手助けをしてくれるのだと感じました。

2.ブスがモテる法を彼女に教えてあげなさい(p23)

「この世に何よりも不公平だと思われるのは、人間の顔には生まれながらの美醜のあることだ。」
という一文から始まります(笑)
この章では「事実としてやっぱり顔が美しい方がモテますよね」としたうえで、
美人ではない人たちへの大変ためになるアドバイスを教えてくれています。

まず、「自分が醜女か、どうか、はっきり見極めるのが女性にとって大切である。」
と言われていて、その方法が
1)女性が自分がかなりの美人だと思う時(事実は普通平凡な顔なり)
2)女性が自分はまあまあの顔だと思う時(事実は普通より以下の顔なり)
3)女性が、かなり悪いが、いいところもあると思う時(事実はかなり、ひどい顔)
という基準で考えること。笑
「人間、悲しいものでどんな顔のいい女性でも、おのれの顔になると採点が甘くなる」のだそうです。
だから、2か3に当てはまったら、次の4つをすることをおすすめされています。

1.今、流行りの服装や服飾をするな
これは自分に似合っていないものを着ることに対しての警告です。
例えばミニスカートが流行っている時代に、脚が太いのにそれを晒すというのは自分の魅力を活かせた服装だとは言えない。
世の中が良いというものを選ぶのではなく、自分を魅力的に見せる方法を研究すること、それが大切だということです。
これは納得。

2.微笑の練習をすること
「毎朝、洗面の時や仕事の合間には鏡を見てほほ笑む練習をすること」
これはやらねば!と思ったのが、やっぱり無意識の顔を意識してみるとマスク生活もあいまってか口角も頬も下がり気味であることに気が付いた。
ぱっと見の印象が暗いし、客観的に見たら起こっているのかな?と思われても仕方ない顔だった。
意識するより他はないので、意識して毎朝練習していこうと思った。

3.素早くできる料理と楽器演奏(ピアノ・ギターなど)を必ず練習すること
これはみなを喜ばせる技術を習得しておくという意味です。
私の場合は人に料理をふるまう場はないから、まずは人を楽しませられるようにピアノを練習してみようと思った。
最近練習してなくて、人前で弾くのは無理かな~~とあきらめかけていたのだけど、
この章を読んで「自分の演奏で楽しんでもらえる可能性があるのなら!」と、やる気がでた。笑

4.できれば英語の会話をやっておくこと
「理由は説明いらない、やってみれば、その理由はわかってくる。」の一言のみ(笑)

と、以上の4つが紹介されているのだけど、
このうち1,2,3を実行すれば、必ずその効果が抜群であることにびっくりするだろう。ということです。

たしかに、小手先のテクニックではなく、
モテる女の子がナチュラルにやってるようなことな気がしました。
とくに1と2はもう聞いただけでも何となく効果は絶大そうな気はします。
だからやってみよう!と思いました♪

3.三人のお嬢さんとのデートの結論(p109)

この回は以下のような1文から始まります。

私のような老人になると、この雑誌の読者が色気や魅力を感じる若い女性も、
多くの場合「女の子」にしか見えぬことがある。情けない話なのだが、事実だから仕方がない。

自分の話ですが、私は最近少し自分に自信がないところがあって、
世の中にはかわいい子がたくさんいて、
「やっぱりどう頑張ってもその子たちに勝るような色気を供給することはできないよなぁ。。」
と、まぁ別に卑屈になってるわけではなく、
「あぁ、無念。」といった感じの感情になることがありました。(笑)

そんなときに出会った文章だったから、もうめちゃくちゃ元気もらったし、
いま自分がやっていること(たくさん本を読んだり、それをpodcastで話したり)に対して自信を持てたんですよね。

もちろん同時に自分にはまだまだ磨くべきところがあるということにも気づかせてもらえたので、
この話の中で紹介されていたことを私自身も実践していって、
中身の濃い魅力的な女性になれるように頑張ってみたいと希望をもらえた章でした。

内容はというと、遠藤周作さんが美しくて若い女性三人と食事をして思ったことについて話されています。
ここに遠藤周作さんの「女性の美しさ」の考えが見える。

一人目は容姿端麗なアナウンサー。
彼女は「うん」とか「はい」とかしか言えないような会話しかできず、
遠藤周作さんが仕事のことやら何やらを質問しても特別な回答がなく、この女性との会話は退屈だったとのこと。
二人目はファッションモデルのお嬢さん。
彼女は一人目の女性よりは話すものの、会話の内容は遠藤周作さんにとってそれほど関心のない
「彼女のボーイ・フレンドのこと」と「将来何をするか、まだ決めていない」ということの二つが主だった、と。
そんな女性を見て

一人の作家を前にして、(と偉そうなことを言うが)これだけがすべての話題ではあまりに情けない。
文学の話を知らなければミュージカルの話でもいい、新しいことも話さない。
はっきり言えば、二十歳の娘にしては教養がないのである。

と、なかなかに刺さるお言葉。(笑)

こんな印象を持った遠藤周作さんはこの女性に、

だから「あなたの顔形は美しいが、魅力がない」と私は正直に言ったのだ。

なんとストレートな。(笑)

そこで返ってきた女性の一言は

「一年後、もう一度会ってください。」

というものだったそうで、「これはいい返事だ」と思ったそうです。
たしかにカッコいい。ここで終わってしまえばそこまでだけど、
1年本当に努力して変わったら本当に変わったらカッコいいですよね。
そんな女性を目指したいな。

そして、三人目は女優さん。
バーに連れていくと、前の二人と違ってよくしゃべる。細かい気配りもできる。
しかし、女優としてみたときに、彼女の表情の表現や感情の表現が上半身だけであって、下半身に及んでいないことに気づいた遠藤周作さん。

またも素直にこのことを伝えると、
これまた返ってきた返事は
「あんた、なかなかいいことをいうわねえ」
と、強気なものでした(笑)
ここでも遠藤周作さんは「こういう娘は私は嫌いではない。」と言っています。
「人生を明るく、たくましく生きる芯のようなものが全身に感じられるから」だそうです。

遠藤周作さんに限らず、ドラマとかマンガなんかを見ていても、
モテる男性が本気で惚れる女の人って、このタイプ多い気がしますよね。(笑)

しかも別に美人じゃなかったりする。
もちろん美人だったらもう手も足も出ないですw

以上の3人とのデートで著者は次のように結論づけています。

日本のお嬢さんの大半は無教養であり、
そうゆう女の子と結婚すると関心ごとは我が子と亭主のことばかりになる。
デートしても自分の子供の話ばかりするようになる。
つまり、人生に対する好奇心がかなり欠如している。
どんなに容姿が美しくても、こういう女性の真の姿が75歳の遠藤周作さんからすると退屈で仕方がない。

ということでした。

まとめ

自分に自信の持てない私でしたけど、
こういう観点で女性を見る男性もいるんだとわかったことが希望でした。笑

こんな男性に出会うためには、
さらには出会ってから「いい!」と思ってもらうためには、
やっぱりちゃんと教養を身につけ、相手の話に興味を持てる心を育てておくことが必要だなと感じました。

あとは、今回は紹介しませんでしたが、教養につながるところで、
マナーを身に着けることの大切さについても書かれていました。

ほんとに恥ずかしいほどにマナーを軽視してしまっているので、
ちょっとずつ、楽しみながら一人の生活でマナーの練習をしてみようかなと思いました。

 

そんなところで、また次回。

次は何を読もうかな♩