本からより多くを得る読書法『本を読む本』(著:M.J.アドラー / C.V.ドーレン 訳:外山滋比古 / 槇未知子)

  • 2024年1月1日
  • 2024年1月6日
  • 教養書
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ここ最近読んだ本の中で群を抜いて難しい本でした。

しかし、私のこれからの人生で何度も読み返すであろう一冊でした。

この本を買ったきっかけは、「本の読み方」を学びたいと思ったからです。

というのも、ここ2,3年でいろんな本を読むようになり、
さらには昨年から読書をアウトプットするpodcastを始め、
最近はただ本を読むのではなく、
「その本から多くを学ぶにはどのようにして読めばよいのか?」
と、本の読み方を考えるようになりました。

もちろんその本を純粋に楽しむことも大切だとは思います。

でもどうせ読むなら、より自分の血肉にできる読み方をしたいし、
読んで感じることも、いつまでも月並みのことしか言えないのではなんだかなぁ、、
と思っていたところで出会った本だったので、即、購入を決意したって感じでした。

翻訳があの「思考の整理学」でおなじみの外山滋比古さんということで、
海外の難しい本でありながら説明のされ方がとにかくわかりやすいです。

ただ、内容がなかなかに難しいのでわかったようでわかっていない部分がたくさんあったように思います。

通読はしたけれど、自分の言葉でまとめるにはまだまだ繰り返し読む必要があるな、と。

逆に言うと、それくらいするに値する良質な本だと感じました。

理解できない原因が、明らかに自分の力不足であると痛感させられる本です。

そして、この本の中では、そのような本を読むことの大切さや、
そうゆう何度も読み返すたびに気づきをくれるような本に出合うことの喜びについて教えてくれています。

それを実際にこの本に感じさせてもらえたって感じでした。

これからいろいろ本を読みたいと思っている方や、
もっと読書の質を高めたいと思っておられる方にはとてもおすすめです。

本を積極的に読む

読者が本の内容を本当に理解するためには、
ただ字面を眺めて読んだ気になる「受動的な読書」ではなく、
行間を見ながら質問を出す「積極的な読書」をしていかなければならないという。

「独学」と「講義」の大きな違い

本から学びを得ることは、教師から学ぶことと同じであり、
ゆえにこの本を通して学ぶ読書技術は、そのまま聞くことにも適用できると書かれています。

しかし、本から読んで学ぶことと教師から聞いて学ぶことには大きな違いがある。

それは、どちらも教師という存在から教えてもらうにしても、本は「見えない教師」から学ぶという点が最大の違いである。

つまり、わからないことや疑問があったときに目の前にいる教師には質問をすることができるが、
本が相手となると問いの答えは読み手自身で探さなければならない。

これが、本で学ぶこと最大の特徴であり、難しいところであり、
そのためにこの本を通して、読書を通して本から積極的に学ぶためのスキルを体得することを目指していきます。

本を本当に読むための読書方法

この本では、その本で著者が伝えようとしていることを理解するための手順を4つの段階(レベル)に分けている。

第一レベルは「初級読書」
第二レベルは「点検読書」
第三レベルは「分析読書」
第四レベルは「シントピカル読書」

という4つに手順で読書を深めていく。

読書の第一レベル「初級読書」

ちなみにこれ、「初級読書」と書いて「エレメンタリ読書」と読むそうです。笑

エレメンタリスクールのエレメンタリですね。

その名の通り、ここで習得する技術は小学校で学ぶような、文脈や前後関係はとりあえずおいておいて、1つの文章の意味を理解するというものです。

難しい文章になってくるとこれだけでは手に負えないと思いますが、
基本的には「私の目の前のテーブルに置いてあるのはコーヒーが入ったマグカップです。」
というような一文が何を意味しているのかが理解できること。

これが「初級読書」ということです。

読書の第二レベル「点検読書」

まず、積極的な読書をしていくためには、読みながら読者は次の四つの質問をしていくべきだと言っていて、

  1. 全体として何に関する本か。
  2. 何がどのようにして詳しく述べられているか。
  3. その本は全体として真実か、あるいはどの部分が真実か。
  4. それにはどんな意義があるのか。

以上の四つである。

第二レベルの「点検読書」は1と2の質問に答えるのに役立つものであり、
第三レベルの「分析読書」で3と4の質問に答える。

では「点検読書」とはなにかというと、
簡単にいえば、その本が時間をかけて読むに値する本かを見分ける作業だと言う。

つまり、本に書かれていることを習得するために熟読する前に行う読み方である。

これには二種類があるという。

点検読書1

一つ目の点検読書は、少ない情報から全体の骨格をとらえる方法である。

これをするために紹介されている方法は次の六つである。

  1. 表題や序文を見ること。
  2. 本の構造を知るために目次を調べる。
  3. 索引を調べる。
  4. カバーに書いてあるうたい文句を読む。
  5. その本の議論のかなめと思われるいくつかの章をよく見ること。
  6. ところどころ拾い読みをしてみる。

あらためて書き出してみると、本を選ぶ段階でナチュラルにやっていることではないでしょうか。

この方法はそこまで時間をとられないし、熟読するうえでも全体像を把握した上で読んでいけば見え方も変わってくることから、本を手にしたら一番最初にやるべき読書術だなと思います。

意外と軽視していましたが、これからは本を読む前に実践してみようと思います。

点検読書2

この本を読んで希望だったのが次の部分である。

「賢くなりたいという高邁な望みを抱いてむずかしい本を読みはじめたのに徒労に終わったという経験は誰にでもある。
そもそもそんな本を読もうとしたのがまちがいだった、と思いこんでしまったとしても無理はない。
ところが、まちがいはむしろ、難解な本を一度しか読まないで、それでも多くのものを得ようとしたところである。
正しいやりかたで近づけば、専門書でない限り、たとえどんなに難解な本でも読者を絶望させるようなことはない。」

(引用:講談社『本を読む本』p45)

一度の読書、いや最短の時間で何かを習得しようとしていた厚顔さに反省しました。(笑)

そこで、この点検読書2で紹介されているのが「表面読み」というもの。

どういうものかというと、「とにかく読み通すことだけを心がける。」というもの。

いったんわからないこともすべて飛ばして通読し、そのあとで再読する。
そうすると、一度目には見えなかった行間が見えるようになってくる。

という手法です。

こちらは少し時間はかかりますが、一読すれば少なからず読むに値するかどうかの判断はつくと思います。

なので、これまで読み切れなかった本も「まずは最後まで読んでみる」ということをこれからは意識してみたいなと思いました。

そして、なんかわからなかったけどもっと知りたいなと思えば再読してみる、という風にして、著者という先生の心にできるだけ近づく楽しさを、次の分析読書で味わっていきたいと思います。

読書の第三レベル「分析読書」

ついに、この本のメインテーマである「本に書かれていることをできるたけ自分の血肉にする」ための読書方法「分析読書」です。

分析読書ですることは、次の四つである。

  1. 本を分類する。
  2. 本を透視する。
  3. 著者と折り合いをつける。
  4. 本を正しく批評する。

この四つの方法を通して、その本で読者が伝えようとしていることを深く理解していくことを目指した読書方法です。

1.本を分類する

2.本を透視する

3.著者と折り合いをつける

4.本を正しく批評する

読書の第四レベル「シントピカル読書」

最終レベルは「シントピカル読書」です。

これまでの読書が、著者が提示したテーマについて考えていたのに対して、
「シントピカル読書」では問いを自分でたてます。

現時点での理解としてこの読書は、論文を書くための読書方法に近いかなと感じました。

その本が、
自分の考えたテーマに対して書かれている本なのか。
そうだとしたら、どのような主張がされているのか。
自分の導き出す答えにどのように手を貸すのか。

そんな、複数の本から一つのテーマに着目して読書をするための方法が、この「シントピカル読書」ということでした。

ここは私自身まだ消化しきれていないので、あっさりですみませんがまたの機会にまとめたいと思います。